「Italian Progressive Rock Festival Vol.1」(出演:THE TRIP/GOBLIN/PFM) 11月4日(金) 川崎クラブチッタ ライヴレポート

出演:THE TRIP/GOBLIN/PFM
11月4日(金) 川崎クラブチッタ
というわけで、行ってまいりました。まさにクラブチッタさんの快挙、本当に実現した、記念すべき第一回イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティバルの初日。翌日の土曜日に人気が集中した為、若干不安だった客入りも、8割方の席が埋まって、まずまず上々のムードでのスタートとなりました。実は、この日のライヴ・レポートは、11月30日発売のEURO-ROCK PRESS Vo.51でも書かせて頂いたため、ここでは簡単に。
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<THE TRIP>
Joe Vescovi(kbd.vo)
Arvid"Wegg"Andersen(vo)
Furio Chirico(dr)
Fabri Kiareli(g.vo)
Angelo Perini(b)
記念すべきフェスのオープニングは、フリオ・キリコ入りの復活THE TRIP。オルガン音主体で迫る御大ジョー・ヴェスコーヴィ、腕をケガしたためベースはプレイ出来ず、ヴォーカルのみでの参加となった英国人、アルヴィド・アンダーセン、そして言わずもがなの筋肉オバケもとい超絶肉体派ドラマー、フリオ・キリコという、『Atlantide』以降のトリオ+若手のギタリスト及びベーシストという編成。『Atlantide』及び『Caronte』からの楽曲をプレイした内容は、【Prog Exhibition】と同様でした。EL&P系に接近した3rdアルバム楽曲、ジミヘン~ZEP系入った2ndアルバム楽曲(ビリー・グレイに捧ぐ、というMCも)、復活モノとしては上々の出来でしたね。それにしてもキリコ…凄すぎ。元々ドラムソロが含まれていた3rdの後半の楽曲の、荘厳な盛り上がりも圧巻の、約60分となりました。イタリアン・ロックの夜明けを飾ったバンドによる、フェス幕開けにふさわしい大熱演でしたね!
≪セットリスト≫
1:Atlantide(『Atlantide』)
2:Evoluzione(『Atlantide』)
3:Caronte(『Caronte』)
4:Two Brothers(『Caronte』)
5:L'Ultima Ora E A Jimi Hendrix(『Caronte』)
6:Ora(『Atlantide』)
7:Analisi(『Atlantide』)
8:Distruzione(『Atlantide』)
9:Il Vuoto(『Atlantide』)
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<GOBLIN>
Claudio Simonetti(kbd)
Massimo Morante(g)
Maurizio Guarini(kbd)
Bruno Previtali(b)
Titta Tani(dr)
そして、約10分のセットチェンジを経て、本フェスの目玉の一つ、初来日となるGOBLINがPM 8:10ごろに登場。DAEMONIAは02年に来日しており、ライヴCDも出ていますが、ゴブリンとしては初。残念ながらピニャテッリ&マランゴーロのリズム隊は不参加で、『Roller』期の上物3人(シモネッティ、モランテ、グァリーニ)に、DAEMONIAのリズム隊(ギターのブルーノがベースにコンバート)という編成。オリジナル・ゴブリンのフュージョン的な透明感は、昔のリズム隊のカラーだったということか、出てきたサウンドは想像以上に「ハード」で、「ロック」しているゴブリン。つまりはDAEMONIAを、少し70年代風に戻したような(モランテの、オヤジ・ハード・ロッカーな色ゆえ?)ブ厚く、迫力十分のサウンドでした。メタル風のドカドカしたノリは、正直言って賛否両論ありましたが、ノリノリでモーグ&オルガン音を弾きまくっていたシモネッティ先生(見てくれも大学教授風?)のゴブリンとして、これもアリかと。翌日に比べれば雑な所も多く、スクリーン/映像の使用もありませんでしたが、十二分に楽しめる力演でした!『Roller』曲が良かったですねー。
≪セットリスト≫
1:Magic Thruller(『Back To The Goblin』)
2:Mad Puppett(『Profondo Rosso』)
3:Dr.Frankenstein(『Roller』)
4:Roller(『Roller』)
5:…E Suono Rock(『Il Fantastico Viaggio Del"Bagarozzo"Mark』)
6:Non Ho Sonno~Death Farm(『Non Ho Sonno』)
7:Goblin(『Roller』)
8:L'Alba Dei Morti Viventi~Zombi(『Zombi』)
9:Suspiria(『Suspiria』)
10:Tenebre(『Tenebre』)
11:Phenomena(『Phenoemena』)
12:Profondo Rosso(『Profondo Rosso』)
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<PFM>
Franz Di Cioccio(dr.vo)
Franco Mussida(g.vo)
Patrick Djivas(b)
Alessandro Bonetti(vln.kbd)
Roberto Gualdi(dr)
Akessandro Scaglione(kbd)
ということで、約80分のGOBLINの演奏の後、今度は約30分のセットチェンジ/インターバルを経て、本日のトリ PFMが、PM 10:00ごろスタート。フェスの3日目/4日目には、オーケストラとの共演が控えていたわけですが、この日はバンドのみの演奏で、故ファブリツィオ・デ・アンドレ関連を除けば、一応最新作となる『Statti Di Immaginazione』('06)をプレイするのが眼目。映像とコラボレーションしたインスト作品だった同作を再現する為、ステージ後方にはスクリーンが設置され、アニメーションや風景、映画仕立てのものまで、様々な映像が流されました。おなじみ定番曲も挟みつつ、じっくりと叙情的な泣きのギターを聴かせるムッシーダが、この日の主役でしたね。キーボーディストとサポート・ドラマーは、夏のフェスの時からまたチェンジしており、ピアノやエレピの音色は良かったものの、シンセ系のプレイがちょっと弱かったキーボーディストは、新参、ということで仕方ない部分もあったのかもしれません。ともあれ、ヨーロッパらしい映像主体の、『Statti Di Immaginazione』演奏は、いつもとは一味違うPFM、ということで、ゆったり楽しめました。そんなこんなでPM 11:00を過ぎるころには、泣く泣く中座するお客さんも目立ち始めましたが、気にせず(?)チョッチョは、オーラスの"E Festa"、まで演り切りました。時にPM 11:30.私メも終電ギリギリで帰れたという、実に長丁場でしたが、演奏自体もたっぷりと大充実で、3バンド通して拍手を送りたい、満足の一夜となりました。この日はあまり前に出なかったチョッチョの、鬼気迫るドラミングも素晴らしかったです!
≪セットリスト≫
1:SE~Promenade The Puzzle
2:River Of Life
3:La Terra Dell'Acqua※
4:Il Mondo In Testa※
5:La Luna Nuova
6:La Conquista※
7:Il Sogno Del Leonardo※
8:Cyber Alpha※
9:La Carroza Di Hans
【アンコール】
10:Impressioni Di Settembre
11:E Festa
※『Statti Di Immaginazione』より、映像つき