難波弘之&SENSE OF WONDER 1月9日(土) 恵比寿 Live Gate ライブレポート
1月9日(土)
恵比寿 Live Gate

私メのライヴ初めは、我らが難波弘之(kbd.vo)氏率いる、SENSE OF WONDERとなりました。昨年12月より各地を回ってのツアー最終日、S.O.W 現在型としては久々のライヴ(2年ぶりくらい?)ということで、バンド側の予想を上回る大入り満員の盛況。立ち見も多数で、難波さんからエクスキューズのMCも入りましたが、休憩も入れつつ、たっぷり2時間半の大熱演でした。来る3月には、キングより、長らく廃盤だった1stソロアルバム『センス・オブ・ワンダー』と、単体初CD化の新井素子 原作『グリーン・レクイエム』のイメージ・アルバムが、完全復刻で紙ジャケ発売、との事で、珍しい1stからの選曲も織り交ぜての内容となりました。
まずは最新ミニ・アルバムからの2曲で華々しくスタート。そして待望の新曲(!)タイトルはうろ覚えでスミマセンが、「ガイコツ・ロボットの乗った宇宙ステーション」的、人類滅亡後の地球再生を皮肉っぽく扱った、キャッチーなコーラス&テクニカルなインスト・パートで迫る、難波さんならではの秀曲。いきなり嬉しいお年玉でしたね。そして第一部のシメは、"パーマー・エルドリッチの三つの聖痕"の、パート1~3完全版。ボジオもかくやの、セットに負けない、そうる透(dr)氏のプレイもエンジン全開。インターミッションを15分ほど挟んで、後半は、まず1stからの4曲、"都市と星" "夏への扉" "火星人 Go Home" "リングワールド"。山下達郎氏 作曲の"夏への扉"はじめ、適度にポップでノスタルジックな、心地よい空気が会場を包みました。あとはもう、これぞS.O.Wの重厚大曲の嵐。当日、奥様が観にいらっしゃっていたという、故.光瀬龍氏に捧ぐ "Earth~百億の昼と千億の夢"は、近年の、というよりトータルで代表曲たり得る、難波エッセンスの集大成的名曲ですね。途中ドラムソロも挟んで、ドカドカと攻め立てるそうる氏に負けじと、フラヴィオ・プレモーリばりのシンセ・ソロで応戦する難波さん、圧巻でした。そして、"オペラの怪人"~"夢中楼閣"でシメる、たまらない構成。アンコールは"ブルジョワジーの秘かな愉しみ"、オーラスはもちろん"ナットロッカー"。この日、風邪気味の体調にも負けず、ウェットンばりのズ太&手数のベースプレイでガッチリと支えた松本慎二氏が、同曲中で、普段は入れない「オーイェー!!」(グレッグ・レイクのアレ)を、マイクを通さずとはいえ、ニコニコしながらやっていたのが凄く印象的でした。それくらい、演る側も観る側も楽しく、充実したステージだったわけです。
各人の演奏力は言うに及ばず、キーボードトリオ・バンドの理想型ともいえるバランス、スタジオをはるかに上回る迫力、EL&P~U.K系をルーツとしつつ、良質のブリティッシュ・ポップあるいはGS~70年代ジャパニーズの香る楽曲の良さ。弾き倒しには向かわず、それでいて弾くところは弾くスリル。SF系をベースとした、明確なる世界観…と、改めてS.O.Wのクオリティを体感できた一夜でした。以前も書いたような気がしますが、変な話、どこへ出しても恥ずかしくない、キーボードトリオ・プログレッシヴとしては世界レヴェル(もし日本でプログレ・フェスがあったら、間違いなくトリ!)の存在ですよ。春には、またライヴが予定されているとのことですので、必見でひとつ。年始早々、素晴らしいライヴを展開してくれた難波さん&S.O.Wに大感謝!良い年のスタートになりそうです!