恒例:今年を振り返る(2013年)
・叙情派の復権か? オランダ・メロディック再リリース・ラッシュ
シンフォニック系のリリースでは、何と言っても目立ったのはオランダ勢。つまりはフランボロー・ヘッド周辺という事なんですが、詳しくは現在発売中のユーロ・ロック・プレスVol.59の特集記事を参照して下さいませ。トリオンの3rd及び1stの再発に始まり、フランボロー・ヘッドの新作、リープ・デイの新作、オディッシスの再発及びライヴDVD…と、続けざまにリリースされ、充実振りを見せつけてくれましたね。フランボロー周辺のみならず、CHRIS、LIFE LINE PROJECTなど、オランダからは色々と出物が多かった2013年でした。
・ベル・アン紙ジャケ、大好評!



毎月リリースされております、我らがベル・アンティークの紙ジャケット・シリーズ、2013年も大充実。ごく簡単にリリースを記してみますと、
1月 ユニヴェル・ゼロ×4
ハッピー・ザ・マン/ベター・レイト
2月 ウェブ
サムライ
ダイス/北欧の夢
モンゴル/ドップラー(コンプリート)
3月 ノイシュヴァンシュタイン
チベット
グルッポ2001
EAポー
4月 ペル・メル×3
5月 スプリング
ケストレル
6月 ミトス/1st
エンブリオ/1st
グル・グル×2
ヘルダーリン
エムティディ
ブローゼルマシーン
7月 ネクター×4(第1弾)
8月 ネクター×4(第2弾)
アレア/1st
9月 ラ・レッジェンダ・ニュー・トロルス
クロックヴェルク・オランジェ
アイン・ソフ×3
ダダ/城壁
10月 ベイカールー
バッジー
11月 ブルー・モーション
アイランド
ドラゴンフライ
12月 スーリヤ
アビュ・ダンジュルー
エロイテロン
パンナ・フレッダ
という具合ですね。もちろん全てSHM-CD。レッジェンダ・ニュー・トロルスは新録(グロッソ再録)ものでした。ブリティッシュ系(スプリング、ケストレル、ベイカールー…)とジャーマン系が充実の中、異彩を放つ、オーストリアのメガ・レア・アイテム、クロックヴェルク・オランジェ、そして11月のブルー・モーションのリリースが目を引きます。そしてラスト12月の、スーリヤ(ジャズ・ロックの超名作)、非入手の向きは年末年始にぜひお求め下さい!
・来日ラッシュは続く

昨年に引き続き、クラブチッタさん企画を中心に、プログレッシヴ系来日公演も大充実の2013年でした。主だった所としては、
・「European Rock Fes 2013」
THE FLOWER KINGS / ANEKDOTEN / MOON SAFARI / TRETTIOARIGA KRIGET
1月11日(土)、12日(日)クラブチッタ
・7for4
2月23日、24日 秋葉原クラブグッドマン
・THE CRIMSON PROJECKT / ANGLAGARD
3月15日(金)、16日(土)、17日(日)クラブチッタ
・KEITH TIPPETT
3月15日(金)晴れたら空に豆まいて 他
・ALAMAAILMAN VASARAT
4月8日(土)、9日(日)浅草アサヒアートスクエア
・IAN ANDERSON
4月16日(火)TOKYO DOME CITYホール 他
・「Italian Rock Festival Finale '13」クラブチッタ
4月26日(金)MAXOPHONE / MUSEO ROSENBACH
4月27日(土)IL ROVESCIO DELLA MEDAGLIA / FORMULA TRE
4月28日(日)MAURO PAGANI / AREA
・ANGE
4月27日(土)、28日(月)銀座ヤマハスタジオ
・MASSACRE
4月27日(土)、28日(日)下北沢GARDEN
・RICHARD PINHAS
5月3日 六本木Super Deluxe 他
・THE ARTAUD BEATS
6月9日(日)渋谷UPLINK 他
・STEVE HACKETT
6月7日(金)、8日(土)、9日(日)クラブチッタ
・ELEPHANT 9 + Reine Fiske
9月5日(金)青山 月見ル君想フ
・MICHAEL ROTHER
9月12日(木)代官山UNIT
・NEW TROLLS / AREA
9月21日(土)、22日(日)クラブチッタ
・PETER HAMMILL
9月21日(土)、22日(日)、23日(月)新宿Pit Inn
・you me&us
10月31日(木)秋葉原グッドマン 他
・U.K. / EDDIE JOBSON クラブチッタ
11月8日(金)U.K.、9日(土)E.ジョブソン、10日(日)E.ジョブソン
という感じで、フラ・キンに始まり、ジョブソンでシメる、という2013年となりました。矢張りハイライトは、バッティングしまくりで大変だった4/27(土)~2/29(月)にかけての3日間でしょうか。ANGEも非常に良かったですね―。ムーン・サファリの大ブレイク、内容充実のイアン・アンダーソン、そして感涙の「ジェネシス再訪」スティーヴ・ハケット。皆様のベストは、どの公演でしたか? ちなみに、ERP誌で私メがライヴ・レポートさせて頂いた物も多い国内系ライヴも非常に充実していました。挙げてみると、
・新●月プロジェクト
3月23日(木)吉祥寺CLUB SEATA
・MOON DANCER / TACHYON
5月18日 吉祥寺GB
・浪漫座 / クルべラブリンカ
6月22日(土)目黒 鹿鳴館
・SENSE OF WONDER
7月27日(土)吉祥寺GB
・KBB
10月20日(日)吉祥寺GB
といった所でしょうか。もちろん、植松伸夫氏の「ファンタジー・ロック・フェス」(谷山浩子×THE卍+石井AQ)、寺田恵子(カルメン・マキ&OZ トリビュート)、といった所も観させて頂きましたし、吉祥寺シルバーエレファントさんにも、かなりの回数足を運びました。和物という点では、上記のうち、新●月、ムーンダンサー、SOWがまとめて観られてしまうという、注目の「ジャパニーズ・プログレッシヴ・ロック・フェス 2014」が、来年3月29日(土)に、クラブチッタで行われます。前売りチケットは当店にて取り扱い中、是非どうぞ!
【ワールド・ディスク年間売上ベスト】
さて、いよいよ、ワールド・ディスクの年間売上ベスト(部門別/全てカンによる)。抜け落ちている物も有るやもしれず、ですが、まあ大まかな…という事で御了承下さい。(カタカナ表記は国内盤のみの売上)
((メインストリーム部門))



①CAMEL / The Snow Goose (再録盤)(U.K.)
②PFM / PFM In Classic (Italy)
③LA LEGGENDA NEW TROLLS / Concerto Grosso No3 (Italy)
④STEVE HACKETT / Genesis Revisited : Live At Hammersmith (2DVD+3CD)(U.K.)
⑤ルネッサンス / 消ゆる風 (U.K.)
メイン部門、トロルスは流石の出来、ルネッサンスは本付きの豪華限定盤も話題となりました。R.I.P.マイケル・ダンフォード。
((再発/未発部門))



①PHASE / Midnight Madness (U.S.A.)
②SUPERSISTER / Long Live Supersister! (Holland)
③ダイス / ライヴ1977 (Sweden)
④TRIBUTE / Breaking Barriers (Sweden)
⑤スプリング / スプリング (紙ジャケット)(U.K.)
(次点)
・FLIGHT / Incredible Journey (U.S.A.)
・TRION / Tourtoice (Holland)
リイシュー系は、'79年の幻のUSジャズ・ロック、PHASEの唯一作(輸入盤紙ジャケ、ベル・アンティークから発売)がトップ。ダイスの未発ライヴは、スウェーデン・ラジオのアーカイヴ・シリーズで、同時にサムラ・ママス・マンナ&ロン・ギーシン、ネイチャーwithデイヴ・グリーンスレイドもリリースされました。いずれもレア度、内容、音質ともにバツグンでしたね。未発ライヴとしては、スパーシスターも素晴らしかったです。
((シンフォニック部門))



①FLAMBOROUGH HEAD / Lost In Time (Holland)
②THE FLOWER KINGS / Desolation Rose (Sweden)
③ムーン・サファリ / ヒムラバッケンVol.1 (Sweden)
④TRION / Fanfare Fantasy (Holland)
⑤ANIMA MUNDI / The Lamplighter (Cuba)
⑥LOST WORLD BAND / Solar Power (Russia)
⑦PROGENESI / Ulissies (Italy)
⑧MAGENTA / The Twenty Seven Club (U.K.)
⑨LA COSCIENZA DI ZENO / Sensitivita (Italy)
⑩MUSEO ROSENBACH / Barbarica (Italy)
⑪BIRDS AND BUILDINGS / Multipurpose Trap (USA)
⑫THE TANGENT / Rite Of Work (U.K.)
⑬NOT A GOOD SIGN / Not A Good Sign (Italy)
⑭SUBMARINE SILENCE / There's Something Very Strange In Her Little Room (Italy)
⑮SOLSTICE / Prophecy (U.K.)
(次点)
・OBLIBION SUN / The High Places (USA)
・BIG BIG TRAIN / Make Some Noise EP (U.K.)
例年以上の大激戦となったシンフォニック部門、今年のトップは、オランダ・メロディックの雄、フランボロー・ヘッドが堂々一位。全体には、イタリア、イギリス、北欧の3つどもえという感じでしたが、ベテラン(ムゼオ、トロルス、アルド・タリアピエトラ、etc)と、新人系(カメリアズ・ガーデン、プロジェネシ、ノット・ア・グッド・サイン、etc)のバランス、質・量においては、イタリアの年だったのかな、という気もします。とりわけ、Altrock / Fading系のリリースの充実ぶりは目覚ましく、ラ・コッシェンツァ・ディ・ゼノはじめ、良作を届けてくれましたね。来たる2014年の4月には、バンコ来日公演に、いよいよファビオ・ズッファンティ率いる2バンド、LA MASCHERA DI CERAと、HOSTSONATENがサポートで初来日を果たしますし、当面イタリア勢の勢いは続きそうです。
一方のフラ・キン&ムーン・サファリの来日組のニュー・アルバムも話題を集めました。今年のブレイク度では、ムーン・サファリはハズせません。マジェンタ、タンジェント、ソルスティスの新作が目立っていた英国勢からはMASCHINE(ルーク・マシーン)、THE SOUND OF CONTACT(フィル・コリンズの息子、サイモン)といった有望新人が登場したのが特筆モノでした。個人的には、ビッグ・ビッグ・トレインの「Make Some Noise EP」の新曲がエラく良かったのが印象的でもございました。
((ジャズ・ロック部門))



①LEVIN, MINNEMANN, RUDESS / LMR (USA,Germany)
②VIRGIL DONATI / In This Life (Australia)
③PHLOX / Vari (Estonia)
④ISTVAN ALAPI / Inner Vortex (Hungary)
⑤RICHARD HALLEBEEK / RHP II (Holland)
(次点)
・CAILLOU / Caillou (France)
今年のWDジャズ・ロック部門は、得意分野?の速弾き/テクニカル系が大充実。レヴィン/ミンネマン/ルーデスは、プレイヤーとしてのヴァリューに加えて、ちゃんと曲に(笑)なっているのも効を奏し、トップ・セールスを記録。負けじと、V.ドナティが追いかける展開の中、エストニアのアヴァン寄りバンド、PHLOX(ライヴ)、ハンガリーのギタリスト、ISTVAN ALAPIという伏兵が登場。②~④はほとんど差が有りません。新人賞は、次点のCAILLOU。
((Chamber / Avant))



①UNIT WAIL / Retort (France)
②VAZYTOUILLE / Vazytouille (France)
③THE ARCHESTRA / Arches (Beralus)
④FIVE-STRAY ENSEMBLE / Not That City (Beralus)
⑤IVA BITTOVA / Zvon (Czech)
チェンバー部門は、フランス勢のワンツー。元シュブ・ニグラスのギタリストが率いるユニット・ウェイルの2ndは、クリムゾン色も強い快作でした。VAZYTOUILLEは、リリース自体は'12年ですが、今年入荷し、よく売れました。問題の!?ジ・アーケストラとファイヴ・ストレイ・アンサンブルは、ベラルーシのRATIONAL DIETの、それぞれ分派ですが、「非友好的に別れた」事がERP誌のインタビューで判明した為、並べてしまうと怒られそうで…。いやしかし、両者ともに良い出来だったと思います。個人的には、⑤イヴァ・ビトヴァのオーケストラ入りアルバムがピカイチだったと。
((トラッド部門))、((サイケ部門))
今年はランキング作品無しにつき、御了承下さい。
((和物部門))



①難波弘之 / Childhood's End ~幼年期の終り~
②KBB / エイジ・オブ・ペイン
③YUKA & CHRIONOSHIP / Dino Rocket Oxygen
(次点)
・HAL / Krusk
和物部門は、正に待望の新作となった、難波弘之が第一位。6年振りのニュー・アルバムのKBBもランクイン。ベテラン組から復活系、新鋭まで…という感じでしたが、今年の和物という点では、キングさんの「プログレッシヴ・ロック・レジェンド・ペーパースリーブ・コレクション」第三期~第五期の計30タイトルの再発が凄かったですね。プロビデンス、ソフィア、ページェント、ヴィエナ、アストゥーリアス等々、ネクサス~クライム系が、ほぼ出揃ったと言っても良い、圧巻のラインナップでした。
そして最後に…
((個人的ベスト))
メイン:CAMEL / The Snow Goose
再発:SUPERSISTER / Long Live Supersiter !
シンフォ:MAGENTA / The Twenty Seven Club
Jazz:VIRGIL DONATI / In This Life
Chember:IVA BITTOVA / Zvon
和物:難波弘之 / Childhood's End~幼年期の終り~
(総合ベスト・アルバム)
MAGENTA / The Twenty Seven Club
(ベスト・ライヴ)
スティーヴ・ハケット(6月7日/8日 川崎クラブチッタ)
ふうっ。という訳で、2013年、皆様のプログレ・ライフは、いかがでしたか? ワールド・ディスクは年内は大みそかまで営業、31日はラスト・デイ・バーゲンです! お買い逃がしのブツを、今回の売上ベストで発見された方は、ぜひ年内に(笑)お買い求め下さい。(PM8:00までの営業)
そして、年明けは4日(土)より営業いたします。(時間は通常通り)吉例に福袋を、商品お買い上げの方に、先着にてプレゼント!
改めまして、2013年も、御利用頂きまして、誠に有難うございました。来たる2014年も、一層の協力の品揃えと企画を目指してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。それでは、皆様よいお年を―。