~マニアック・シンフォ炸裂!娘、激カワ(笑)~ KOTEBEL / Interpose+ 7月19日 吉祥寺シルバーエレファント

最新リリースCD5th『Ouroboros』も好評の、スペイン拠点マニアック・シンフォニックの雄:KOTEBELが、何と奇跡的に初来日。彼らに相応しい殿堂、シル・エレにてライヴを行いました。集客は上々で、立ち見を含めて60~70人程度(目算)の入り。
まず登場は、対バンのInterpose+、彼等がKOTEBEL主催のスペインでのプログレフェスに参加した時は大分お世話になったとか。おなじみ"Rosetta"から、新曲"エゴイスト(仮)"も交えたセットにて、1時間強プレイ。飯島丈治(Gr)やDani(Ba/KBB)のテクニカルなプレイ(オルガン音のキーボードも効果的)と、紅一点「あるがさゆり」の透明感と力強さのある歌声の織り成す、独特のシンフォニック・ワールドを展開してくれました。全体にヴォーカルが少々不安定だったものの、今や数少ない女性ヴォーカルシンフォニックバンドとしての存在感をアピールする、充実の熱演だったと思います。
そして8時を回ったころ、いよいよKOTEBEL登場。リーダーのカルロス・プラザ(キーボード)と、若干19歳(!)の娘さん:アドリアーナのツインキーボード体制に、ギター、ベース、ドラムスの5人編成にて、ダイナミックな入れ込み型インスト・シンフォを存分に展開してくれました。選曲は、最新作はじめ、前作『Omphalos』、前々作『Fragments Of Light』などからの冒頭曲を中心としていた印象。その演奏はスタジオ以上に力強く、ハードなギターも相当効いていました。楽曲は、とにかく難易度が高い、変拍子と切り返しを多用したもので、EL&Pというよりも、個人的にはBANCO+KC+ミスターシリウスといった趣。凝りすぎてキャッチーさに欠けるきらいも少々とは言え、逆に、ここまで徹底してこそのシルエレ魂かと(笑)。ラテン色(カルロスがパーカッションを叩く場面も)を加味したドライヴ感と、近代クラシックベースのオーケストレイションが次々と交錯していく様は、非常にスリリングでした。前半はドラムと上モノがズレ気味で、正直危なっかしさも目に付いたものの、進むにつれて調子が上がっていましたね。キーボードの機材トラブルも有りましたが、迫力十分のパフォーマンス。
そして特筆すべきは、カルロスの娘さん、アドリアーナ。プレイ面でも、親父がピアノ&オーケストレイションを担当し、シンセ系のメインフレーズを彼女が取る場面が多く、お飾りでも何でもない、多大な貢献を見せていましたし、華のあるルックスも相まって、ベースの髭にリボンを除けば激地味な他のメンバーの見てくれを救い、というか客席の(私を含めた)オヤジ達の視線を一身に集めていたような気がします。悪いお父さんにそそのかされて?珍しい父娘ツインキーボードバンドとなったわけですが、アドリアーナの今後の活躍にも期待しましょう!ともあれ、こうした現役のマニアックなシンフォ・バンドがオンタイムで日本で観られるとは有り難いことです。20日のKBBとのライヴにも行きますんで、レポートも改めてもう一度。